墨の色2 墨色の種類
墨色って何?って方のための説明です。
固形墨って「煤」と「膠(接着剤)」「香料」で出来ています。(たまに、煤以外の顔料、染料が入る)
煤の色が墨の色ですが、煤って何色かと言えば、「黒色」です。
なんといっても、油か松の燃えカスなので「ブラックカーボン」そのものです。
*注:書の世界だと「ブラックカーボン」は別の意味にも使われています。
墨色を羅列すると、青、青灰、紫、茶、赤、が主ですが、他に、緑、赤茶、赤紫、紫紺の色があります。
墨は黒、黒は様々な色を組み合わせた物、そんな雰囲気がありますね。
墨色はどうやったら見えるのか?
なぜ、墨色が見える人と、見えない人がいるのか?
ちょっと、ここから小難しくなりますが、それは「色」だからです。
この先難しかったら、飛ばして理解できる所で読んでください。
墨色を理解するには「色」とは、何か?を理解する必要があります。
目に見える色、仏教とか宗教とは関係なく、世界に色というのはありません。色とは人間が作り出している妄想なんです。
*繰り返しますが、私は宗教家ではありません。宣教しません。硯の布教はするかもしれませんが。(笑)
世の中にあるのは、それぞれの原子(分解すれば、原子核と中性子)です。原子に色はありません。原子ってイッヒリーベとかそんな奴です。
色がない世界で何かを見分ける、非常に難しいです。
それで人間がウィルスに感染して、恐怖を覚えて、恐ろしいもの、そうではないものを瞬時に見分けられる様に、「光の波長を区別できる様になった」。その波長の区別を脳内で素早く区別するために、人間が認識しているもの、それが色です。
代表例で虹。
日本では7色と言われています。
が、世界を見渡すと、2~8色で、世界の主流は6色です。
(中国、欧米の主な国がそうです)
虹の原理は、光の波長がプリズム効果によって、屈折率が変わり、波長が様々に区分けされる、その区分けされた色を認識するです。
極論すれば、虹は、数万色に見えてもおかしくはないのです。
ですが、虹を数万色に見ると人間の脳の処理が追い付かないので、便宜的に、6色やら、7色やら、言葉(概念)で決めて、それを人の脳で認識しています。
つまり、ある物は、太陽から発する太陽光線を、物体(原子)が反射・吸収して、その物体から発せられた(反射した)波長の特長を脳内で作り上げたものが色です。
って、難しいですね。
難しい話はここまでで。
ここから出来るだけ平易にすると、
墨色というのは、元々、人間に見えるものではないんです。
他の「色」とも、見え方が異なります。
なので、見るための訓練(目慣れ)が必要なものです。
(実は、人が色を見るというのも、産まれた時から社会的に訓練されているので見えるのです。)
なので、墨色は勝手に見えるものではなく、鍛錬すれば見える様になる、その努力をしない限りは、見えないもの。
そういうものです。