墨色1 墨の色

墨色。
いろいろ書きたいんですけどね。
ノウハウが絡むので、多くは言えないです。
ノウハウは他人様も自分も含め作り手の生活の糧なので、とても言えないです。
特に人から聞いた事は言えないです。
なので、書ける範囲で、とまずは弁解してから書きます。(笑)

墨色って一言で言っていますが、何だと思います?
墨の色?色彩?
タイトルにも私がそう書いていますね。(笑)

固形墨であれば、主要な原材料が煤、膠、香料であることはご存じな方も多いと思います。
では、煤の色の事が墨色?

では、煤の色は何色でしょうか?

まわりくどい様に見えると思いますが、ここが一番大事なんです。

煤の色はほぼ黒、ほんの少し茶、です。
なにせ、英語では煤はブラックカーボンです。
ブラックです。

じゃぁ、なんで青とか茶とか言ってんだ???
って話になりますよね。
そこからが大事です。

墨色とは、紙など(基盤)の上にある煤の表面の光の反射を人間の脳が色と感じるもの、です。

ここから分解すると
色とは何か?
光の波長の違いを人間の脳が色と判別するもの、です。
判別と言っているのは、物体には色がついて人間には見えますが、色というのは存在しないからです。物の表面・内部での反射・透過によって一部の光の波長が変化する事により色として人間は認識する、です。
簡単にいえば、色とは人間が脳で作り出した妄想です。

その証拠に、
虹は何色?と聞くと、日本人は7色と答えます。
が、世界では2色から8色まで認識します。
地域によって、虹の色の数は違うのですよ。
〇〇色という言葉があるか、文化的背景によって変わってきます。
日本人が7色と言う様になったのは、昔のイギリス人が7色って決めたからです。

話を戻すと、
墨色とは、基盤の上の煤の反射によっておこる。
光の波長が短いと青。光の波長が長いと茶。

これって、空の色の原理と同じなんです。
昼間の空は青いですよね。
夕日は赤い。

なぜ空が青いかといえば、波長の短い青は乱反射しやすく、空気中の分子(酸素、窒素とかあれです)に衝突して、青く見えるです。
夕日が赤いのは、水平に光が来るので光がとおる空気の距離が長く、波長の短い青は乱反射しきって人間に届かないので赤く見える、です。
煤だと茶ですが。

なので、墨色とは、紙など(基盤)の上にある煤の表面の光の反射を人間の脳が色と感じるもの、なんです。

ちなみに、墨色が見える人は私の感覚だと2割いないかなぁ、って気がします。
なので、墨色がわからないって方が居たとしても気にする必要ないです。
廻りのみんな見えていませんから。

で、よい墨色を沢山見ていると見える様になってきます。
誰でも見える様になります。

子供だと1日で墨色が見える様になるそうです。
逆に、大人だと時間がかかる。
脳に墨色を見る回路を作る必要があるからです。

墨色とはそういうものです。
長くなったので、また機会があれば補足します。