土佐硯2 土佐硯製作所

土佐硯は高知県三原村(四万十市、土佐清水市の隣)の三原石を使って作られる硯です。
組織としては、三原石加工製造組合の工場が土佐硯加工製作所。
正しく書くと長いので、土佐硯製作所にしちゃいました。(笑)

この三原村、超絶自然豊かな環境にあり、東は四万十市(写真は四万十川)、南は蒼龍石が採掘されていた土佐清水市、足摺岬があります。
ただ、行くのは大変です。
高知龍馬空港が高知県の東側にあり、三原村は高知県の西の端近く。空港から更に車で半日って感じです。

土佐硯製作所には、職人さんが6名おられますが、主に活動されているのは、写真のお二人。壹岐さんと、足達まやさん。
驚くほど精力的に活動されており、こんな辺鄙な(失礼!)場所でよくそれだけ活動が出来るなぁ、って感じです。
それもそのはず、お二人とも三原村の公募で硯職人になられた方です。足達さんは東京都のご出身。
やる気が違います。
私も大概「なんで硯の世界なんかに来ようと思ったの?」って関係者からは聞かれます。(なんせ、超衰退産業で明日にも飢え死にしそうですから。(笑))
そう、彼、彼女も同じ立場。よくやるねぇ~、と思っています。

その足達まやさんが作硯された硯がこちら。土佐猫硯。(ネーミングだけは私。エヘン!)
男性ばっかりの硯職人・作家では思いつかない形状と作りの硯だと思います。
書でいえば、古典から遠いデザイン書。守破離ではなく、独自世界を作ってる、って感じです。

三原村に行った時にあった試作品(他の形状もありました、山とか他の動物とか)を見せていただいてから、私は土佐猫硯と足達さん感性の大ファン。僕が全部売るから、って事で、なかなか作るのが大変そうですが、たま~に私がメルカリでお譲りしています。
密かに、日本硯の未来を作ってくれるかも、と期待をしています。

ちなみに、土佐硯には、三原石以外にも、蒼龍石を使った土佐硯も沢山あります。
歴史を書くと入れ子があって長くなるので端折りますが、まぁ採石地が近いので、蒼龍石持っている職人さんも多いのですよ。なので、蒼龍石とは書かれずに土佐硯と書かれた(こちらの硯は土佐硯と彫られた)硯もあります。(今は販売していません。)