雨畑硯2 雨畑真石

現在の雨畑真石は山梨県早川町雨畑地区の稲又山で採石されます。
過去には、室草里、長畑でも採石されていました。雨畑は石が枯渇した、と言われたのも、室草里、長畑が採石できなくなったためです。

稲又山の石は現在も採石されており、黒色の頁岩です。
見た目の通り、洞窟の様な場所で、現在は入口から20メートル程度入ったところで採石されています。
その採石の困難さから、石が枯渇した、と言われたのだと思われます。

その抗の途中には水が溜まっています。結構澄んだ水で飲みたくなる水でした。
雨畑川のそばに坑はあります。
水に浸かっている石はよい、という説もたまに聞きますが、個人的には水に浸かっていなかった硯石はないので、今現在水に浸かっているかどうかは重要とは考えていないです。

この写真の左側黒い線の左右が鉱石です。
今の雨畑真石はとても硬く緻密な石です。和墨松煙墨、油煙墨ともに良いですが、松煙墨の墨色が抜群によくなる石です。

稲又山と室草里、長畑の石の特性は少し異なります。が、見分けの付く人はほとんどいない気がします。