雨畑硯1
雨畑硯は山梨県早川町雨畑地区の石を使って作硯された硯です。
黒色の頁岩が主ですが、稀に赤石、緑石もあります。
黒石の石紋は美しく、石の手触りがとても気持ちよく磨り味がよいです。

雨畑硯は、採石量が少なく、雨畑真石とよばれる雨畑地区で採石された石と、他地区(主に雄勝)で採石された石を使われています。
雨畑御硯だと、中国の石を使われている事もあります。

雨畑真石は、私は硯視点で6種類にわけています。
現在の雨畑真石の採石地は1カ所ですが、昔は3カ所(赤石・緑石も含めると4カ所)ありました。

雨畑真石は石の硬さで見ると主に2種類あります。
昔の雨畑真石は今採石できる石より少し柔らかく、松煙墨、油煙墨ともに使いやすいです。
今の石は比較的硬めの石で緻密です。
松煙墨、油煙墨、どちらにも良いですが、松煙墨で抜群に美しく透明感のある墨色を出します。

雨畑は、私は「あめはた」と読んでいますが、元々は「あまはた」と読みます。
読み方は複数錯綜していて、雨畑硯製造販売組合は「あめはた」ですが、山梨県の雨畑硯の紹介は「あまはた」です。
個人的には、もっと産地を知っていただくことの方が大事と思っているので、読み方に拘る必要はないかな、と思っています。
